世界中であらゆる分野のデジタル化が進む状況に比例して、オンラインギャンブル市場は成長の一途をたどっています。一方で、日本におけるこの市場の現在の規模や、今後の成長はどのように観察されているのでしょうか。
本記事では、日本におけるオンラインギャンブル市場の規模を解説し、これからの同市場の展望を解説します。
日本におけるオンラインギャンブル市場の規模は？
IR推進法が成立したように、日本ではギャンブルに対する熱が増加し続けています。そして、そのようなギャンブルが場所を問わずプレイできるオンラインギャンブルのプラットフォームは、その価値をさらに高めています。
2022年には、世界ではオンラインギャンブル市場が798億ドルに達したと報告されています。また、2023年から2028年にかけては、年平均成長率（CAGR）8.5%で市場が拡大していく見込みです。
一方で、ビジネスデータプラットフォームStatistaのレポートによると、日本における現在の
オンラインギャンブル市場の規模は54億9,000万ドルに達するとされています。加えて、2023年から2027年にかけては、CAGRは7.31%での成長が見込まれています。
ここから、日本におけるオンラインギャンブル市場の着実な拡大を示していることがわかるでしょう。
日本において人気のあるオンラインギャンブルの種類は？
日本のオンラインギャンブル市場の成長を支えるギャンブルの種類は、一体どれなのでしょうか。
現在、日本から利用できるネットギャンブルにおいては、野球やサッカー、バスケットボールに対するスポーツベッティングが人気を博していることがわかります。具体的には、スポーツベッティングの2023年の市場規模は、35億8,000万ドルという予測がたてられています。
つまり、日本のオンラインギャンブル市場の半数以上の収益は、スポーツベッティングから発生していることになるでしょう。
また、公営ギャンブルとして人気のあるパチンコ・パチスロも、日本のギャンブル市場を支えています。特に日本人にとっては古くから親しみのあるゲームであることから、参入するハードルが低いため、多数のオンラインギャンブルサイトが多彩なパチンコ・パチスロを提供し始めています。
日本のオンラインギャンブルが今後成長するためには？
前述の通り、日本におけるオンラインギャンブル市場は、世界的なトレンドに沿った成長を見せています。そして、この市場は日本独自の法的および文化的背景の中で、独自の進化を遂げています。
伝統的にギャンブルに対する規制が厳しい日本では、パチンコ・パチスロや競馬、競輪などの公営ギャンブル主流形態でしたが、インターネットの普及とスマートフォンの使用率の増加により、オンラインギャンブルへの関心が高まっています。さらに、国際的なオンラインギャンブル業者の市場参入や、eスポーツなど新しい形態のギャンブルの人気が増す中、市場の構造も変化しています。
他にも、顕著な技術革新により、オンラインギャンブルの利便性と安全性が向上しており、リアルタイムでのベットや、より没入感のあるゲーム体験が可能になっています。また、VR（仮想現実）やブロックチェーン技術の導入によって、透明性と公正性が保たれる一方で、新しい体験を求めるユーザーの需要も満たされています。
そして、このような状況に伴い、日本政府によるオンラインギャンブルに対する法的枠組みの見直しも、市場の成長に大きな影響を与えるでしょう。オンラインギャンブルが他の公営ギャンブルや大阪IRと同じように政府に正式認可されることで、オンラインギャンブルのアクセス性が高まり、新たなユーザー層が市場に参入する可能性が高まるはずです。
結論
世界でのオンラインギャンブル市場拡大に合わせて、日本においてもこの市場は伸長していくと予測されています。そして、この成長はインターネット普及の拡大、モバイルデバイスの普及、法規制の緩和によって牽引されていると考えられます。また、将来的には技術の進歩がもたらす新しいゲームの形式や、ユーザー体験の向上によって、市場はさらに成長する可能性があります。
加えて、オンラインギャンブル市場の成長は、ペイメントソリューションの提供企業や、セキュリティサービス、ゲーム開発企業などの関連する産業にも波及効果をもたらすでしょう。
したがって、オンラインギャンブル市場の動向は、国内経済における新たな成長分野としての役割を果たすため、注目すべき領域であると言えるでしょう。
